利府トレイルモニター④ 見晴らしを楽しんで!

レポート
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先月28日、利府トレイルの暫定ルートを歩くモニターツアーを実施しました。この会は、利府トレイルの公式ルート化に向け、より良い道へアップデートを図るためのワークショップ的な意味合いを持った会です。一緒に歩く人と楽しみながら、意見交換と情報共有を行います。4回目の今回は、利府城址から花園・青山団地を抜け、沢乙温泉へと向かう約8kmの道です。参加者は私を含め5人でした。

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朝9時。利府城址公園を出発。標高90mからの眺望は、木々が葉を落とす冬の間が遠くまで見通せ、おすすめです。参加者の二人が、「こんなところあったんだー」とこの小さな発見を悦んでいました。

城址公園から利府小学校の裏手に続く園路を下りていくと、昨年4月町の指定文化財となった大イチョウがあります。伊沢家景が植えたとも、留守政景が植えたとも言われていますが、数百年を超える立派なイチョウです。ここにあったとされる水分神社(みくまりじんじゃ)は、多賀国府を守る蔵王権現と同一とも考えられており、歴史を感じます。

小さな祠には水分神社、秋葉山神社と書かれている

ここから雷神社(らいじんじゃ)へと向かいます。雷神社へと向かう道には、かつてここから取水し、宿場に通していたであろう井戸跡を発見しました。頭の中に知識としてはあっても、はじめて意識を向けると、この素朴な発見を嬉しく思います。井戸の側面には、神聖な場所を示す紙垂(しで)が飾られていました。雷神社には、戦国時代に旱魃に苦しんでいた村民が雨乞いをしたところ、雨を降らせたことが伝えられています。社殿の前には大きな白樫が立っています。

雷神社

ここから心月寺を抜け、花園団地へと向かいました。心月寺は眺望も魅力です。南面を向き、多賀城方面を眺めることができます。手前の竹藪は、今はあまり意識されていませんが、おそらく利府城の城域の一部で、この城域はさらに右側イオン北館の方まで続いていると言われています。お墓から団地へ向かう道は、まるで異世界に向かうような気持になることができます。

花園団地を抜け、青山の森の里公園で小休憩。ここから長根街道を通って、しらかし台団地へと向かいました。長根街道は、古代の東山道、中世の奥大道である可能性があります。今でもこのように残っている古道は大変貴重で、一人でも多くの人が目を向けるようになると、利府のひとつの個性として輝いてくるキープレイスだと思います。

恒例となったおすそ分け。いつもありがとうございます!
長根街道
振り返ると、いろんなところか眺望を楽しめるのが今回の道だった

しらかし団地を抜け、県道3号線(塩釜-吉岡線)に出ました。ここからは砂押川沿いの側道を通って沢乙温泉へと向かいました。唄沢地区では今後工業団地の造成が始まり、数年後には今見ている風景が一変することが予想されます。ここを歩くたび、目に焼き付けておこうと思っています。

この標識は団地開発のものではないけど、今後この周辺の山を削り工業団地が造成される
右しらかし台中学校、左仙台北部道路

かつて青麻道と呼ばれた道に出てから、西に向かって沢乙温泉を目指します。最後、ずっと気になっていた沢乙温泉の裏山にある加茂神社に立ち寄りましたが、すごい場所にありました。あの急登を登っていかなくてはいけない不便さと同時に、ここに存在し続けている凄さを感じました。社殿が比較的きれいな状態なので、定期的に手入れがされているのだと思います。

「あ我そ道」でしょうか。我は中国語読みでwoなので、あをそでしょう。このように書かれている文献があるのでしょうか
加茂神社
左手に赤ちゃんを抱いているので、おそらく子安観音。

こうして旅の終わりを神社で済ませ、榎川砂防公園で解散しました。アンケートでは、「歴史」と「風景」のある道として印象に残ったようです。また課題としては、ゴミが多いこと、団地部分のルート改善、道路の横断などがありました。こうした課題を一つひとつ解決し、より良い街づくりを目指していけるよう、トレイルを活用していきたいと思います。

最後に、今回は利府トレイルのあり方についていい議論ができました。魅力があるところをつないでいけばいくらでも範囲を拡大できますが、その分だけ地権者や関係者が増え一筋縄ではいかなくなります。特に、異なった自治体が絡んでくる場合は、利府トレイルという名称自体、問題を含んできます。利府町の中でつくるトレイル、広域で連携して行うトレイル、この二つを分けて取り組みたいのが私の本音です。今回は、そういったことを率直に話し合うことができ、いい機会になりました。

ウォーキング-2025-01-28 / 利府トレイルプロモーションさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

距離:約8km
アクセス:館山公園駐車場、榎川砂防公園

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