MCT航路区間に陸路を。ついに最終章!

レポート

20日、みちのく潮風トレイル浦戸航路区間に陸路ルートをつくる試みの四回目を行いました。最終回となる今回は、陸前富山駅から野蒜駅までの約10kmです。利府トレイル推進メンバーに加え、みちのくトレイルクラブから2名、KANAMEdesignsさん、名取のハイキング愛好家の方が参加。とても豪華な日となりました。

前回までの振り返りはこちら
12/7 みちのく潮風トレイル、オルタナティブ陸路の第一弾
12/13 MCT陸路づくりの第2回区間は体力勝負だった
12/14 MCT航路区間に陸路を。松島を堪能できた3回目

当日のコース 地理院地図を加工・修正

9時過ぎ、陸前富山駅近くの墓地に集合し、一人ひとり簡単な自己紹介をした後、名取トレイルセンターの板谷センター長からみちのく潮風トレイルの説明がありました。利府の人と名取の人らが交わって感慨深いです。

センター長ご本人からの説明。大変貴重な機会でした

まず松島四大観の一つ富山観音に向けて出発します。富山観音へは500段以上の階段を登っていかなくてはいけませんが、それだけの価値がある山でした。山頂には大仰寺という寺院があり、観音堂、仁王門、梵鐘がありました。また、松島湾を展望できる場所が二か所あります。大仰寺境内からの展望は拝観料100円かかりますが、遮るものが何もなく、開放感あふれる素晴らしい展望で超おすすめです。

山を下り、奥松島パークラインを東進していきます。歩いている脇を車がビュンビュン走り抜けますが、道沿いには古浦漁港や牡蠣の作業小屋などがあり、海の生業を感じられました。

ホタテの貝殻は牡蠣の養殖に使うのだとか

松島町と東松島市の市町村界を越え、奥松島レーンホテルのところで右折、車通りから離れて海の方へ向かいます。ここは震災前に仙石線が走っていた場所だったようで、その頃を知らない私は「こんな海沿いを走っていたんだなー」と感銘を受けました。一方、前回から利府のMさんが「電車が海の間を走っていったのよねー」ということを言っており、ずっとその場所を探し求めていたのですが、ここがまさにそのポイントでした。電車はまさに太平洋と汽水湿地の中を走り抜けていたんですね。今では防潮堤が高くそびえて海の眺望を遮りますが、なんて美しい場所を通っていたんだろうと思いました。

左に太平洋、右に汽水湿地。電車はまさに海の中を走っていた
説明版でも特別なスポットとして紹介されていました

旧仙石線跡は、スポットスポットに丁寧な説明板が敷設されていました。上記の眺望ポイント、旧東名駅、亀岡トンネル、そして旧野蒜駅の震災復興伝承館。線路を通して、震災の出来事がストーリーとして物語られていくのを感じました。また、この線路跡や説明板もそうですが、ところどころに鉄道遺産が散見されるのも、「捨てずに遺してた方がいいよね」と考えた人たちの気持ちが、心にジーンと伝わってくるのでした。

震災前に使われていたキロポスト
この注意書きは海の方を向いていた。こっち側に歩行者用通路があったのでしょうか
海に手を合わせるお地蔵さん
旧東名駅
亀岡トンネルは通れるようになっていました
旧野蒜駅。伝承館になっています。

旧野蒜駅で15分程度の休憩を挟んだあと、野蒜石の石切場脇を通って現在の野蒜駅に到着しました。解散をする前に簡単な振り返りを行う中で、多少懸念していた富山観音の登りと数km続く車道歩きについても伺ったのですが、気にならないどころか、むしろポジティブな感想を多く聞けました。皆さんからのフィードバックを聞いて、いい道だったんだなーと実感、よかったです。アンケートもありがとうございました!

それと、全然想定していなかったのですが、野蒜駅に設置されたみちのく潮風トレイルの道標が「おー、終わったかー。おつかれさん。これで繋がったな」と労わってくれた気がしました。道標を見てこんなふうに感じたのは初めてでした。

MCTを歩いたときとは違う感慨をもった野蒜駅のMCTの道標
実施後のアンケートの一部。自由回答もびっしりと。ありがとうございました!

これでこの企画は終了です。12月7日から全四回。これまでご協力くださった皆様、ありがとうございました。実際に歩いたコースは、どれも陸路ルートに「ふさわしい」あるいは「ふさわしいが一部改善が必要」という意見でしたので、改善が必要なところは改善し、あとは原則変えずにつなげようと思います。公表は1月上旬を予定。MCT冬季期間中の選択肢の一つになったらうれしいです。

距離:約10km
時間:3時間半
駐車場:野蒜駅、富山観音駐車場
アクセス:陸前富山駅、野蒜駅

MCT陸路 陸前富山-野蒜 / 利府トレイルプロモーションさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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