古代多賀城と利府

昨日、利府町芸術文化協会主催の歴史講演会がありました。

「古代多賀城と利府」と題し、宮城県多賀城跡調査研究所の古田和誠さんが招かれたこの講演では、古代多賀城に関する概説と北に隣接する利府との関係について一般的な内容を話されていていました。

少しでも歴史に興味のある人であれば、町内で配布されているパンフレットや各所で閲覧できる展示資料の内容を、より深く理解するのに役立つ講演だったかなと思います。

個人的に発見があったのは、硯沢窯跡の横口付木炭窯について、この形態は県南の山元町や福島県相馬地方の古代製鉄関連の遺跡で見られているものと同様で、硯沢のあった春日一帯でも製鉄が行われていたのではないかということでした。これについては、利府町郷土史会の菅原会長も指摘されていることで、会長の研究の鋭さを感じさせるものでした。ちなみに、鉄を作るといっても大量の木炭が必要だったので、木炭窯は製鉄窯と併設して作られるのです。同じ木炭窯が見つかったということで、同系の製鉄集団が従事していた可能性があると思います。

また、講演後にあった質問タイムで、須恵器を多く作った窯跡(硯沢・大沢)と瓦を多く作った窯跡(大貝)との違いは何か、それは出土する土の成分の違いに起因するものなのかという興味深い質問があったことでした。先生の回答では、土の成分によって作るものを変えたということではなく(須恵器でも瓦でも同じ土で作る)、そのときの時代の要請で必要なものを作ったということで、土の成分による違いではないということでしたが、どちらにせよこの辺り一帯の土が粘土質であるということが改めて確認できました。

現在はいろいろな規制があって、この辺り一帯の土を使って焼き物を作ることはできないようですが、地域振興の観点からすると、こういった規制が少しでも改善されれば、よりブランド化されたと陶芸品が出回るかなと期待が膨らみました。

利府梨の廃棄枝を使って利府焼きを作っているアトリエ陶の泉さん
https://tounoizumi.jimdosite.com/

利府という町は、県内の人にとってもあまり馴染みのないところかもしれませんが、古代多賀城に付随する歴史的にも面白い場所ですし、地域資源を使った取り組みが活発なところです。利府トレイルを歩きながら利府を感じ取ってもらえればうれしいです。

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