東北文化学園大学の学生からの感想を読む④

東北文化学園大学の学生からの感想を読むシリーズ四回目です。

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★「歩いて旅をする道」の事業は、車や電車、バスなどを動かすのに必要な燃料を消費することなく旅ができる。地球にやさしい事業であり、エコロジー的な旅だと思った。

⇒今の時代、エネルギーを使わず生きるというのはかなり困難を伴いますし、エネルギーがあることで私たちは豊かに暮らせています。自然の恵みに感謝すると同時に、先人が革新してきた技術や知恵にも敬意を払いながら環境のことを考えられたらいいですね。

★「価値観を変えたい」という大きな考えを持っているだけでなく、その考えに従って行動できるのがすごいところだと思った。

⇒少し傲慢だったかもしれません。価値観を変えるというより、今の時代、なんか変だよねとか窮屈だなとか、みんながなんとなく思っている心情に寄り添えるのがトレイルだなと思っています。そして、そのなんとなくに言葉を与えるのが、自分にできることなのかなと、そういう感じです。

★質問でもあったように、利府町の高低差はとても激しいです。90数キロのコースでも実際の距離よりもとても疲れるコースになるだろうなと感じました。

⇒高低差も良し悪しで、プラスにもマイナスにも捉えられますね。

★石井さんが利府トレイルをつくろうとしたきっかけの一つとして、コロナ期間中にどこのトレイルも運営を休止したことだとおっしゃられていて、ないなら自分がつくるという考えは勉強になった。

⇒少し補足しなければなりませんが、トレイル自体は原則常に開かれているので(単なる道なので)、思い立ったら歩きにいけばいいのです。ただ、その自由に開かれているはずのトレイルに対し、管理や運営を担当している側が、自粛を求めたりしていたのが気に食わなかったのです。ああいう時代だからこそ、トレイルに携わる人たちは、社会に対し、世間一般とは違う重要な価値を提供できました。内に籠るんじゃなくて外に出よう、リフレッシュしよう、歩いて健康な体をつくろう、そう言えばよかったのです。それを逆に、自粛だとか来るなとか。ほとんど、自己の存在意義を自分で否定しているようなもので、本当に嫌でした。自分が炭鉱のカナリアという慣用句からタンコーカナリという法人名をつけたのは、そういう諸々に対する警告、自分はそうならないぞという戒めです。

★私自身も利府に生まれてからの22年住んでいて、たくさん魅力や唯一無二のものに触れてきたと思っていましたが、”トレイル”のような自分の五感を使ったものに触れることで新たな気づきがあるのではないかと気づきました。機会があれば、イベントにも参加してみたいと思いました。

⇒いいですね。少しだけ意識的に五感を使ってみるだけで、外の世界が急に広がるでしょうね。イベント、いつでも待ってます。

★旅と言えば、観光スポットをめぐって非日常を楽しむイメージが強かったが、平凡の非凡を見つける旅も悪くはないと思った。「みちのく潮風トレイル」は距離が長く時間がかかるので、「利府トレイル」のような規模のトレイルをやってみたい。

⇒平凡の非凡をこういう形で使ってくれてうれしいです。みちのく潮風トレイルも全部歩く必要ないので、行ってみたいところに行ってみるのもいいですよ。

★正直観光スポットを新たに作るよりも、今あるものをいかした事業が難しいと思うので、そこに挑戦するのは本当に勇気がいるなと思った。

⇒なるほど。あまりそのように考えたことがなかったので、勉強になります。私はどちらかというと自生的に発生してくるもの、あるいは自生的に発生して今に伝わっているものが好きで、それを現代に生かしたいという立場です。ゼロからイチを無理やり作ろうとする行為は、ラピュタの空中要塞と一緒でどこにも根差しているような気がせず、遅かれ早かれ消えてゆくものだろうという気がします。

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