先日、信越トレイルのある長野県(県境の新潟県にも)に行ってきました。
トレイルと言っても歩きに行ったのではなく、
トレイルメンテナンスの仕方を学びに行ったのです。
住んでいる地域にトレイルをつくる活動をしている私にとって
メンテナンス法は絶対に避けては通れない学習事項であり修得技術です。
加えて、アメリカからジョージア・アパラチアン・トレイルクラブ(GATC)のメンバーが直々に教えにくるということで
この千載一遇のチャンスを逃すまいと受講したのでした。
二日間にわたって行われたトレイルメンテナンス・ミーティングは、
一日目に実地のワークショップ、二日目にトークセッションという内容で
した。
トークセッションの第一部においては、
日本の各地で誕生しているロングトレイルの関係者4名が
それぞれのトレイルの特色やトレイルメンテナンスに対してどう取り組んでいるかについて語られました。
みちのく潮風トレイルの組織化された体制や
信越トレイルの「整備協力金」制度には大変示唆を受けました。
また、常陸国ロングトレイルにおいては、
トレイルメンテナンスを「おもしろい!」と思わせるような取り組みや魅せ方があり、
整備ボランティアへの登録数は800名、整備イベントごとの参加数が安定して20-30名ということで、
最も参考にしたい取り組みだと感じました。
トークセッションの第二部においては
ATC(Appalachian Trail Conservancy)の代表とGATCから代表2名が登壇し
アパラチアントレイル全体を統括した道の管理のあり方と
それを各地域で支えるクラブの重要性について語られるとともに、
クラブの年間スケジュールや活動の内容について教えていただきました。
特に大事だと思ったことは、
GATCの方が誇りを持って楽しく活動しているということで
その姿勢が次世代にとっての憧れとなり地域を支えているということです。
地球環境について、生態系について、教育について、
クラブが地域のキーストーンになっていることは
トレイル事業をしているすべての人間にとって目指すべきあり方だと思います。
話が前後しますが、一日目の実地のワークショップに関しては、
光が原高原キャンプ場近くの信越トレイルのルートに実際に入り、
その道にどんな課題があるかグループメンバーと話し合った後、
GATCのアドバイスのもと、実際に修繕・修復を試みました。
ドアサイズやチェックダムなどいくつかの知識や手法を学びましたが、
とりわけ「ドレイン(排水)」については路体整備の基本中の基本であることを教えていただいたので、
困ったら立ち返る、常に意識しておくべきことだと肝に銘じ、
これからの整備活動に活かしていきたいと思います。
このイベントを主催してくださった信越トレイルの関係者の皆様、
遠くアメリカから日本にやってきたGATCの皆様、
長野までの車を出し一緒に参加してくださったSさん、
その他多くの方に感謝申し上げます。
ありがとうございました。