TRAIL DAYSの日に起こったことを自分目線で

変な話、未来のある時点から振り返ったとき
4月20日に起こったことは一つの転機だったのかもしれない。

20日午後3時ごろ、スマホにグループLINEの通知が届いた。
「いしーさん、これはすごいですよ!」
その瞬間は短く表示される通知文を確認するだけだったけど、
10分後にあらためて開いてみると、
グループがやけに盛り上がっていた。

LINEの送信者は名取トレイルセンターで開催されていた
「TRAIL DAYS」というフェスに参加していた人からのものだった。
ある人がイベントの1シーンを動画で撮り、
それに続く形で「これはすごいですよ!」と別の方がコメントしていたのだ。
何がすごいのだろう?

動画を開いてみると、
利府トレイルプロジェクトメンバーのKさんが
メンバーや有志でつくったサブルートを
ハイカーズデポの土屋さんや全国のハイカーの前で発表していた。

サブルートについて話すKさん(画質悪め)

・サブルートを作った目的やサブルートの魅力
・当初予定していたルートを変更せざるを得なかったこと
・主役(本ルート)があってのサブルートであること
・地図を入手できること

短い時間の中で簡潔に要点を述べるKさん。
土屋さんの合いの手も加わり、聴衆が真剣に聞き入る様子が映っていた。
大げさかもしれないけれど、
サブルート作りに携わった一人として
たとえようのない感情がぷつぷつとたぎるのを感じた。

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続けて、少し時間が経ってからまた別の動画がアップされた。
それはみちのく潮風トレイルの50年後を見据えた土屋さんのスピーチで
沿線に住むハイカーがいかにトレイルと向き合えるかを伝える内容だった。
土屋さん特有のハキハキした声が耳の奥に響く。

土屋さんのスピーチ(画質悪め)

「今ある本線は最高なんです。
でも最高は更新するためにありますよね。
だから、その最高を更新していくためにできることを考えてみる。
僕たち東京組は簡単にここに来れないんです。
ここに住んでる人だからこそできるんです。
責任を感じる必要はないけれど、
面白がってやってくれたらうれしいな」

土屋さんのやさしくて、熱い言葉。
気づいたら仕事の手を止めて、食い入るように聞いていた。

・ ・ ・

トレイルに魅了される人には二つのタイプがあると思う。

一つはプレイヤータイプ。いわゆるハイカー。
あるトレイルを歩いたら次のトレイルに行きたくなるタイプ。
95%以上の人はこのタイプだと思う。

もう一つはメーカータイプ。いわゆる作り手。
トレイルが持つ可能性をあらゆる面で引き出していきたいタイプ。
トレイルを使って人に喜んでもらったり、
より良い社会づくりを目指そうとする人がこれ。

土屋さんの言葉はハイカーに作り手マインドを持つことのススメだった。

プレーヤーは自分の好きを楽しむが、
作り手は多くのプレーヤーを楽しませる。
小さくてもいい、一人ひとりが人を幸せにするマインドを持つことが
みちのく潮風トレイルの未来を支えるんじゃないか。
僕にはそう聞こえた。

あぁ、自分があの場所にいれたらどれだけ幸せだったろうか。
じーんと温かいものがこみ上げてくると同時に、
ここ数年の自分の取り組みを思い返してみると、
いろいろと後悔もめぐってきた。
もっともっとできたことがあったはずだ。

戦略的なことも、営業もそう。PRも足りていない。
自分がもっとちゃんとした人間なら、プロジェクトの進行も変わっていただろう。
でも、同時に、自分一人でできることなんてたかが知れているという気持ちもある。
結局、人に頼って、人に支えられるしか自分の活動は進んでいかない。

だからこそ、今回の土屋さんの言葉は嬉しかった。
僕なんかがやみくもにプロジェクトを推進したり、
周辺地域にトレイル文化を醸成しようと企てたとて
正体不明の人についてくる人なんてほとんどいないだろう。
それより多くの人が尊敬している土屋さんの言葉を通じて
僕たちの活動を見てもらった方が100倍人に伝わるはずだ。

僕たちはついている。

勇気をもってハイカーの前に立った
Kさんとともに祝杯をあげよう。

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