10月11日、「岩切ってどんなとこ? 中世東北の交差路」を開催しました。
青少年の森を出発し、岩切城跡、東光寺、八坂神社をめぐり、後半は中世の道・奥大道を歩いて戻りました。
今回は、それぞれの場所を「どんな視点で見ると面白いか」という、ほぼ自分流の観点で構成してみました。
たとえば、山城の構成要素が比較的はっきり残る岩切城は、山城を知るのに格好の場所です。曲輪とは何か、堀切や竪堀の違い、桝形虎口など、資料だけではつかみにくい構造も、現地で実感できます。今回はそのような点を意識し、いくつか特徴的な部分を見て回りました。山城に興味をもったとき、まず訪れたい場所。それが岩切城だと思います。

また、日本の中世は本当に混沌としていて、理解が難しい時代です。南北朝の天皇家の分裂、観応の擾乱による室町幕府の分裂、京都勢力と鎌倉勢力の抗争などが全国に波及し、各地で戦が起こりました。こうした時代の大枠をつかんでいないと、京都の内乱がなぜ地方に影響したのかが見えません。今回はその時代背景にも少し触れ、岩切城の合戦が起こった経緯を大づかみし、地方史を理解する手がかりとなるよう心掛けました。説明の途中で「なんとなく理解できましたか?」と尋ねると、多くの方が大きくうなずいてくださり、とてもうれしかったです。
岩切城だけでなく、東光寺や八坂神社も中世の歴史を伝える重要な場所です。今回は郷土史仲間のMさんとRさんにご協力いただき、それぞれ東光寺と八坂神社をご案内いただきました。東光寺は県内でも有数の板碑群で知られ、板碑についての詳しい説明をしてくださいました。八坂神社では、境内の志波彦神社(しわひこじんじゃ)について、「シワ」が「端」を意味し、蝦夷を段階的に制圧していく中で北限にあたるところに「シワ」の神様を置いたという興味深いお話がありました。お二人とも、貴重なお話をありがとうございました。
休憩のために参集殿を開放してくださった八坂神社の関係者の皆様にも、心より感謝申し上げます。
後半は雨が大変でしたね。皆さん、本当にありがとうございました。


次回は10月25日(土)、板谷道を歩きます。
まだほとんど集まっていませんが、5人ぐらい集まれば開催いたいと思います。
よろしくお願いします!