先月5日、利府町体育協会主催で講演会が開かれました。その講演にゲストとして登壇。利府トレイルやバルシューレについて話してきました。
スピーチが終わった後に質問コーナーがあったのですが、その質問の中で二点気になったものがあったのでここで取り上げておきたいと思います。
一つ目はトレイルとオルレは何が違うかという点です。質問者の意図としては、トレイルのような長い道を作るよりオルレのように短い道を作った方がいいのではというものでした。たしかにオルレは人気があります。気軽に自然の中を歩けるので、散歩の延長でふらっと立ち寄れる良さがあります。一方で、一般的にオルレよりも距離を長くとるトレイルは、その距離にもよりますが、一日で全部を歩くのが大変です。たとえば、全長75kmを想定している利府トレイルだと、おそらく全部歩くのに3~4日かかるでしょう。それが負担と考える人も多いと思います。しかし、トレイルは大は小を兼ねるのです。75kmのトレイルをどのように歩くかはその人の自由なので、10kmだけ歩きたい人は10kmだけ歩くことができます。また、ゆくゆくはモデルコースのような形で「海でまったりするコース」「歴史を感じるコース」のようにオプションを用意するので、トレイルを通してオルレ的な歩き方も楽しめます。トレイルかオルレかではなく、様々なニーズにあったトレイルにしていければと思います。加えて、そもそも論になりますが、トレイルのような長い道は、ちょっとした旅の疑似体験ができる空間です。日常の延長ではなく、日常から離れること。これがトレイルの醍醐味であり、オルレにはない特徴だと思います。
二つ目は、利府トレイルを活用してトレイルランの大会を開いてみても面白いのではないかとの質問がありました。私はトレランについて詳しくないので、私が持っているトレランのイメージを率直に伝えました。私が持っているトレランのイメージは、速さを求め、競争的だというものです。もし私が持つこのイメージが正しければ、トレランと私がやろうとしているトレイルハイキングとはかなり異質なものになります。その点の懸念を率直に表明したうえで、トレランについて教えを請おうとしたら、トレランには競争的なものと非競争的なものがあると教えていただきました。後者については、たとえば地域の特産を途中途中のポイントで味わいながら、走るのを楽しむイベントがあるのだそうです。なるほど、これは面白そうです。歩くからイイ、走るからダメ、のような原理主義に陥らない寛容さが大切だと思いました。特に、ロングトレイル界隈では、トレランを毛嫌いするところがありますので、何が良く何がダメなのか慎重に見極めていこうと思いました。
その他、バルシューレに関しても、好意的な意見を聞くことができ、大変有意義な時間でした。利府町体育協会さん、お集まりいただいた方々、ありがとうございました。